結論から書きます。赤ちゃんが寝ても自分が眠れないのは、あなたの心と体がまだ緊張をほどけていないからかもしれません。それはめずらしいことではなく、責められるようなことでもありません。眠れないなら、無理に眠ろうとしなくて大丈夫です。この記事では、その状態をどう受け止めて、眠れなくても体を休めるかを、いっしょに考えていきます。
赤ちゃんが寝ても眠れないのは、あなただけではありません
ようやく赤ちゃんが寝てくれた。静かになった部屋で、さあ自分も横になろうと目を閉じる。なのに、頭はさえたまま。天井を見つめて、時計の数字だけが進んでいく。そんな夜を、私も何度も過ごしてきました。
体はくたくたなのに、眠りのスイッチが入らない。これは決して珍しいことではありません。日中ずっと赤ちゃんの様子に気を配っていると、体はいつでも動けるように身構えたままになります。その緊張は、赤ちゃんが寝たからといって、すぐには消えてくれないものです。
「寝られるうちに寝ないと」と思うほど、かえって焦ってしまう。眠れない自分を責めてしまう。その気持ち、よくわかります。でも、眠れない夜があるからといって、あなたが何かをまちがえているわけではありません。むしろ、それだけ一生懸命に日々を過ごしている証だと、私は思っています。
まずは「眠れないこともある」と、そのまま認めてあげてください。眠ろうとする力みが少し抜けるだけでも、体はほんの少しやわらぎます。
眠れないのは「休みたいのに休めない」状態かもしれません
眠れない夜、心の中ではいろいろなことが起きています。次に泣いたらどうしよう。ミルクは足りているかな。明日の予定は。そんな思いが次々と浮かんで、頭が休む間もない。眠りたいのに、脳がまだ働き続けているのです。
私自身、上の子のときは特にそうでした。ちょっとした物音でも飛び起きられるように、耳がずっと澄んでいる感覚。眠っているのか起きているのか、自分でもわからない浅い時間が続きました。今思えば、あれは「休みたいのに休めない」状態だったのだと思います。
大切なのは、眠りと休息は同じではない、と知っておくことです。ぐっすり眠れなくても、目を閉じて横になっているだけで、体はいくらか回復します。だから「眠れない=休めていない」と決めつけなくて大丈夫です。眠れない夜も、あなたはちゃんと休もうとしています。
もし、眠れない状態が長く続いてつらい、気分の落ち込みが強いと感じるときは、ひとりで抱え込まないでください。気になることがあれば、小児科や自治体の相談窓口に声をかけてみるのもひとつの方法です。
今夜からできる、小さな休み方
ここでは、眠れない夜に少しだけ試せることを並べてみます。どれも「やらなきゃ」ではありません。できそうなものを、ひとつだけ選んでみてください。
眠ろうとするのを、いったんやめてみる
眠れないときに「眠らなきゃ」と思うほど、体はこわばります。思いきって「今日は眠れなくてもいい」と自分に許可を出してみてください。力が抜けたころに、うとうとしてくることもあります。
灯りを落として、目を閉じて横になる
眠れなくても、暗くした部屋で横になっているだけで体は休まります。スマホの光は脳を起こしてしまうことがあるので、そっと画面を伏せてみてください。目を閉じるだけで十分です。
ゆっくり長く息を吐く
吸うことより、吐くことを長めに意識してみます。四つ数えて吸って、六つ数えて吐く。それを何回か繰り返すと、体の緊張がゆるむのを感じる人もいます。うまくできなくても気にしなくて大丈夫です。
静かな音にそっと身をあずける
無音だと、かえって物音に気を張ってしまうことがあります。小さな音量で穏やかな音を流すと、気持ちが落ち着くと感じる方もいます。私も寝かしつけの音楽を作っていて、赤ちゃんだけでなく、そばにいる親御さん自身がふっと肩の力を抜けたら、と願っています。
温かい飲み物で一息つく
眠れないまま起きているなら、白湯や温かいお茶を少しだけ飲んでみてください。カフェインの少ないものがおすすめです。手のひらに伝わる温かさに、心がほどけることがあります。
「今日できたこと」を心の中で数える
眠れない夜は、できなかったことばかり思い浮かびがちです。でも、今日あなたは赤ちゃんを守り抜きました。それだけで十分すぎるほどです。小さな「できた」を数えてみてください。
眠れる時間を少しでも増やすための工夫
眠れない夜を減らすには、日中の過ごし方も関わってきます。とはいえ、赤ちゃんのいる暮らしで理想どおりにはいきません。だから、できる範囲で、という前提で読んでください。
ひとつは、家事の完成度を思いきって下げることです。眠れない体で完璧を目指すと、心も体もすり減っていきます。洗い物は明日でいい。畳んでいない洗濯物があってもいい。私も、部屋が散らかったまま横になった日が数えきれないほどあります。それでも子どもたちは元気に育ちました。
もうひとつは、頼れる手を少しでも借りることです。パートナー、家族、地域の支援。ほんの短い時間でも誰かに赤ちゃんを見てもらえると、心の張りつめが少しゆるみます。「頼るのは申し訳ない」と感じるかもしれませんが、休むことは、明日また笑顔で赤ちゃんと向き合うための準備でもあります。
そして、眠れない自分を長い目で見てあげてください。この時期がずっと続くわけではありません。少しずつ、まとまって眠れる夜も戻ってきます。今は、そのための踏ん張りどころなのだと思います。
眠れない夜のあなたへ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。眠れないまま、この文章にたどり着いたのかもしれませんね。それだけでも、あなたはよくがんばっています。
赤ちゃんが寝ても眠れないのは、あなたが弱いからではありません。それだけ真剣に、目の前の小さな命を見守っているからです。眠れない夜は、いつか必ずやわらいでいきます。それまでは、眠ることよりも「体を横たえて休むこと」を大切にしてあげてください。
眠れなくても、あなたは十分にやれています。どうか、自分を責めないでください。今夜が少しでも穏やかな夜になりますように。そして、ほんの少しでも肩の力が抜けたなら、それでもう十分です。おつかれさまでした。ゆっくり、休んでくださいね。
寝かしつけの音楽を無料で配信しています(YouTube): https://www.youtube.com/@Baby_SleepLullabies
長い手紙のような文章はこちら(note): https://note.com/nennebaby
ひとりで抱えないでください
「消えてしまいたい」と感じるほどつらいときは、下記の窓口に連絡してください。深夜でもつながります。
- よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・通話無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
お住まいの自治体の子育て相談窓口や、かかりつけの小児科でも相談できます。頼ることは、無理をしないための普通の選択です。



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