先に、いちばん伝えたいことを書きます。寝かしつけに1時間以上かかっても、それはあなたのやり方が下手だからではありません。子どもが寝つくまでの時間には、大きな個人差があります。「早く寝る子」と比べて落ち込む必要はないのです。今日は、時間がかかる背景と、少しだけ肩の力を抜くための考え方を、手紙のように書いていきます。
寝かしつけに1時間以上かかるのは、めずらしくない
まず知っておいてほしいのは、寝つくまでに時間がかかること自体は、そんなに特別なことではない、ということです。すっと数分で眠る子もいれば、あれこれ動いてなかなか眠りに入らない子もいます。同じ家の中でも、きょうだいで全然ちがうことがあります。私自身、上の子と下の子でまるで別のリズムだと感じたことがありました。
大人でも、疲れているのに目が冴えて眠れない夜がありますよね。子どもにも、そういう夜はあります。今日はたくさん昼寝をした、夕方に興奮する遊びをした、ちょっと環境が変わった。そんな小さなことの積み重ねで、眠りに入るまでの時間は簡単に伸びます。だから「昨日は30分だったのに今日は1時間」という揺れも、よくあることなのです。
それでも、暗い部屋で子どもの隣に横になったまま時計を気にする1時間は、本当に長く感じます。あなたが疲れているのは当然です。まずはその気持ちを、責めずにそのまま認めてあげてください。
時間がかかる背景に多いこと
寝つくまでに時間がかかるとき、その背景にはいくつかのよくあるパターンがあります。あくまで一般的な傾向で、どの子にも当てはまるわけではありませんが、思い当たると少し気持ちが整理されることがあります。
ひとつは、体はまだそこまで眠くなっていない、というパターンです。昼寝が長かったり遅かったりすると、夜の入眠までの時間が伸びると感じる人もいます。もうひとつは、寝る前の時間帯に気持ちが高ぶっているパターン。にぎやかな遊びやテレビ、明るい光などで頭がまだ動いていることがあります。
それから、親と離れたくない、という気持ちも大きいです。子どもにとって、眠るというのは大好きな人と少し離れる時間でもあります。だから安心できるまで、そばにいてほしくて、あれこれ話しかけたり動いたりする。これは甘えではなく、成長の途中でよく見られる自然な姿だと私は感じています。時間がかかること自体を「問題」と決めつけず、今はそういう時期なのかもしれない、と眺めてみてください。
「早く寝かせなきゃ」を少しゆるめる
寝かしつけがつらくなる大きな原因のひとつは、時間そのものよりも「早く寝かせなきゃ」という気持ちのほうにあると、私は思っています。焦っていると、子どものちょっとした動きにもイライラしてしまう。その空気は不思議と子どもにも伝わって、余計に眠りから遠ざかることがあります。
私も、自分の休みたい時間を早く確保したくて、心の中で秒読みをしていた時期がありました。でも、うまくいかない夜ほど自分を追いつめて、終わったあとにぐったりしていました。ある時から「今日はこの子が眠くなるまで、隣で休憩している時間」と考え方を切り替えてみたのです。すると、同じ1時間でも少しだけ楽になりました。
寝かしつけは、あなたが一方的に「させる」ものではありません。子どもが自分のペースで眠りに入るのを、隣で待つ時間でもあります。うまくいかない日があっても、あなたの愛情が足りないわけでは決してありません。今日という一日をここまで運んでこられただけで、もう十分すぎるほどがんばっています。
今夜からできる小さな工夫
すぐに劇的に変わる方法はありませんが、少しだけ気持ちが軽くなるかもしれない工夫を並べます。合いそうなものだけ、ゆるく試してみてください。合わなければ、やめて大丈夫です。
時計を見えない場所に置く
時間を気にするほど、焦りは強くなります。枕元の時計やスマホを、あえて視界の外に置いてみてください。「あと何分」を数えないだけで、心の負担が変わることがあります。
寝る前の30分をゆっくりモードにする
眠る前は、部屋の明かりを少し落とし、静かな声で過ごしてみます。激しい遊びやにぎやかな画面から、少し早めに離れておくと、気持ちの切り替えがしやすくなる子もいます。
同じ流れをそっと繰り返す
お風呂、歯みがき、絵本、といういつもの順番を、なるべく同じにしてみます。次に何が来るか分かる流れは、子どもにとって安心につながることがあります。完璧でなくて構いません。
静かな音を流してみる
小さな音量の静かな音楽や、生活の中の一定した音が、部屋の空気をやわらげてくれると感じる人もいます。効果を期待しすぎず、あなた自身がほっとできる音を選ぶのがおすすめです。
「寝かせる」から「隣で休む」に言い換える
心の中の目標を、そっと置き換えてみてください。眠らせる時間ではなく、自分も横になって休む時間だと思うと、待つことがつらくなりにくくなります。子どもが寝なくても、あなたの体は少し休めます。
交代できるなら遠慮なく頼る
パートナーや家族が近くにいるなら、日によって交代してもらってください。毎晩ひとりで抱えなくていいのです。頼ることは、手を抜くことではありません。
それでも気になるときは
工夫をしても毎晩へとへとで、自分の心や体がつらいと感じるとき。あるいは、子どもの様子で気になることがあるとき。そんなときは、無理にひとりで抱え込まないでください。眠りや発達に関して気になることがあれば、小児科や、お住まいの自治体の子育て相談の窓口に話してみるのも、ひとつの選択です。専門の人に聞いてもらうだけで、気持ちが軽くなることがあります。
ここで私が書けるのは、あくまで同じように子どもを育ててきた一人の親としての言葉です。答えを出すためではなく、深夜のあなたの隣に、少しだけ座らせてもらう気持ちで書いています。うまくいかない夜があっても、あなたは何も間違っていません。
今日も一日、おつかれさまでした。子どもが眠ったら、どうかあなた自身も、ほんの少しでいいので休んでください。あなたの体と心が、いちばん大切です。
寝かしつけ音楽を無料で配信しています。よければ静かな夜のおともに。YouTube: https://www.youtube.com/@Baby_SleepLullabies / 長めの手紙はこちら note: https://note.com/nennebaby
ひとりで抱えないでください
「消えてしまいたい」と感じるほどつらいときは、下記の窓口に連絡してください。深夜でもつながります。
- よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・通話無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
お住まいの自治体の子育て相談窓口や、かかりつけの小児科でも相談できます。頼ることは、無理をしないための普通の選択です。



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