よその子はすぐ寝る、比べてしまう夜へ

がんばりすぎない育児
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先に、いちばん伝えたいことを書きます。よその子がすぐ寝ることと、あなたのお子さんが寝つきにくいことは、優劣ではありません。あなたのやり方が間違っているわけでもありません。子どもには一人ひとり違うリズムがあって、それがたまたま「寝つきやすさ」という形で見えているだけのことがほとんどです。だから、比べて落ち込む必要はないのです。とはいえ、頭でわかっていても心がついてこない夜があります。この記事は、その心を少しだけ軽くするために書きました。

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「よその子はすぐ寝る」と感じてしまうのは自然なこと

SNSや友だちとの会話で、「うちの子、置いたらすぐ寝るよ」という言葉を耳にすると、胸の奥がざわっとすることがあります。自分だけが長い時間、抱っこして歩き回っているように思えてしまう。私も、真っ暗な部屋で腕がしびれてくるころ、ふと「どうしてうちは」とつぶやいたことが何度もあります。

けれど、少し立ち止まってみてください。人が語る話は、たいてい「うまくいった部分」だけが切り取られています。すぐ寝た日のことは話しても、一時間泣いて疲れ果てた夜のことは、わざわざ言わないものです。見えているのは、その家庭の一日のほんの一場面。あなたはそれと、自分の一番しんどい瞬間を比べているのかもしれません。

比べてしまうのは、あなたが真剣に向き合っている証拠でもあります。どうでもよければ気にもならない。心が動くのは、それだけ大切に思っているからです。だから、比べてしまう自分を責めないであげてください。

比較がつらくなる本当の理由

比較そのものが悪いわけではありません。つらくなるのは、比較の結果を「自分の価値」や「親としての合格点」に結びつけてしまうときです。よその子がすぐ寝る、だから自分の育て方が足りない——そんなふうに、いつのまにか話がすり替わっていきます。

でも、寝つきやすさは、その子の生まれ持った気質や、その日の体調、たまたまのタイミングなど、いろいろな要素が重なって決まります。親の努力だけで決まるものではありません。すぐ寝る子の親が特別にすぐれていて、そうでない子の親が劣っている、という話ではないのです。

私は三人の子を育ててきましたが、同じように接しても、寝つき方はそれぞれまるで違いました。同じ親、同じ家、同じ寝室でも違うのです。この事実に気づいたとき、「よそと比べても仕方ない」と、少しだけ肩の力が抜けました。比べる相手は、よその子ではなく、昨日のわが子で十分なのだと思うようになりました。

比較から少し離れるための考え方

比較をゼロにするのは難しいものです。無理にやめようとすると、かえって意識してしまう。だから、「離れる」くらいの気持ちがちょうどいいと感じています。

ひとつは、「見えている情報は一部だけ」と思い出すこと。すぐ寝るという一言の裏には、語られない苦労がきっとあります。それを想像すると、隣の芝生が少しだけ普通の芝生に見えてきます。

もうひとつは、比べる対象を「他人」から「時間」に変えること。半年前のわが子は、今よりもっと寝つきにくかったかもしれません。少しずつ変わっていることに目を向けると、比較が落ち込みではなく安心につながります。

そして、「うちのペースがある」と声に出してみること。言葉にすると、不思議と自分でも信じられるようになります。よその家にはよその家のペース、うちにはうちのペース。どちらが正しいという話ではありません。それぞれの家に、それぞれの夜があるだけです。

今夜からできる小さなこと

大きく考え方を変えなくても、ほんの少しの工夫で心は軽くなります。今夜からできそうなものを、いくつか置いておきます。できそうなものだけ、ひとつでかまいません。

比較したくなる情報から少し距離を置く

寝かしつけの前後は、SNSをそっと閉じておくのもひとつです。ざわつく言葉が目に入らないだけで、心の静けさは変わります。情報は逃げません。元気なときにまた見ればいいのです。

昨日のわが子と比べてみる

よその子ではなく、少し前のわが子を思い出してみてください。前は反り返って泣いていたのに、今日は腕の中で落ち着いた。小さな変化が、きっと見つかります。

「うちはうち」と声に出す

暗い部屋で、小さくつぶやくだけでかまいません。「うちにはうちのペースがある」と。耳で聞くと、頭の中の比較の声が少しだけ小さくなることがあります。

できたことを一つ書き留める

寝かしつけのあと、スマホのメモに一行だけ。「今日も抱っこした」でも十分です。できなかったことより、できたことに目を向ける練習になります。

静かな音に頼ってみる

穏やかな音楽や、雨の音のような環境音に、部屋の空気を預けてみるのもいいかもしれません。子どものためというより、まずあなた自身の呼吸がゆっくりになることがあります。合う合わないは家庭によるので、気楽に試す程度で。

眠れない自分を責めない

寝かしつけがうまくいかない夜も、あなたはちゃんとそばにいます。それだけで、もう十分にやっています。うまくいかない日を、失敗として数えないであげてください。

それでも気になることがあるときは

比較の話とは別に、お子さんの様子でどうしても気にかかることがあるかもしれません。眠りのことや体のことで不安が続くときは、ひとりで抱え込まず、小児科や自治体の子育て相談の窓口に声をかけてみてください。話すだけで整理がつくこともありますし、専門の人に見てもらえるという安心は、それ自体が支えになります。

ここで大事にしたいのは、相談することは「負け」ではないということです。よその家と比べて落ち込んでいたエネルギーを、ほんの少し、頼ることに回してみる。それはとても前向きな選択だと私は思います。あなたが少しでも眠れて、少しでも笑える日が増えることが、いちばん大切です。

今夜も、あなたは暗い部屋で誰かの眠りを守っています。よその子がどうであれ、あなたの腕の中で守られている命があります。それはとても尊いことです。どうか、比べて自分を小さくしないでください。ここまで読んでくれたあなたに、静かな夜が訪れますように。おつかれさまでした。

ひとりで抱えないでください

「消えてしまいたい」と感じるほどつらいときは、下記の窓口に連絡してください。深夜でもつながります。

  • よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・通話無料)
  • こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556

お住まいの自治体の子育て相談窓口や、かかりつけの小児科でも相談できます。頼ることは、無理をしないための普通の選択です。

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