先に、いちばん伝えたいことを書きます。抱っこでしか昼寝をしてくれないのは、あなたのやり方が間違っているからではありません。赤ちゃんが安心できる場所を、ちゃんと知っているというだけのことです。だから、まずは自分を責めなくて大丈夫です。そのうえで、少しでも腕が休まる工夫や、昼寝そのものの受け止め方を、この記事でいっしょに整理していきますね。
抱っこじゃないと寝ないのは、悪いことではありません
置いた瞬間に泣く。背中スイッチという言葉があるくらい、多くの親が同じところでつまずきます。私も上の子のときは、腕がしびれても動けず、テレビのリモコンにすら手が届かない時間を何度も過ごしました。トイレに行きたいのに行けない。あの息の詰まる感じは、経験した人にしかわからないと思います。
でも、抱っこで眠るのは赤ちゃんにとってとても自然なことです。お腹の中にいたころ、赤ちゃんはずっと揺れて、心臓の音を聞いて、包まれていました。生まれてすぐにその環境が消えるわけではありません。だから抱っこで安心して眠るのは、むしろ順調に育っている証拠だと感じることがあります。
いつまで続くのだろう、と不安になる気持ちもわかります。けれど、抱っこでしか寝なかった子が、ある時期を境にすとんと自分で眠れるようになることもあります。今の姿がずっと続くわけではありません。まずは「今はそういう時期」と、少しだけ肩の力を抜いてみてください。
「昼寝させなきゃ」を一度手放してみる
昼寝がうまくいかないと、私たちはつい「ちゃんと寝かせられていない」と自分を追い込みがちです。育児の情報を見れば、月齢ごとの理想的な睡眠時間が並んでいて、それと比べては落ち込む。その気持ち、痛いほどわかります。
でも、赤ちゃんの眠りには本当に個人差があります。まとめて長く寝る子もいれば、細切れに何度も寝る子もいます。抱っこでしか寝ない時期の長さも、その子によってまちまちです。だから、平均や目安はあくまで「そういう子もいる」という一例として、参考程度に眺めるくらいがちょうどいいのかもしれません。
私が少し楽になったのは、「昼寝させること」ではなく「赤ちゃんが疲れすぎないこと」を目安にしたときでした。時間ちょうどに寝かせることより、機嫌よく過ごせているかを見るほうが、私自身の気持ちが軽くなったのです。目標を下げるのではなく、見る場所を変える。それだけで、うまくいかない日の受け止め方が変わることがあります。
抱っこ以外に、少しだけ試せること
ここからは、腕を休ませるために私が試してきたことを書きます。どれも「これで寝る」と約束できるものではありません。合う子もいれば、まったく反応しない子もいます。うまくいかなくても、それはその工夫が合わなかっただけです。気楽に、一つずつ試してみてください。
体を密着させたまま、ゆっくり下ろす
置くときにパッと離すと、赤ちゃんは急な変化に気づきやすいようです。おしりから下ろし、しばらく胸を密着させたまま、少しずつ体を離していく。慌てず、呼吸を合わせるようにゆっくり動くと、そのまま眠りが続くことがあります。
抱っこひもで寝かせ、そのまま家事をする
下ろすことにこだわらず、抱っこひもで寝かせてしまう方法です。両手が空くので、洗い物や洗濯くらいはできることがあります。腰に負担がかかりすぎないよう、肩や腰で支えるタイプを選ぶと、少し楽に感じる人もいます。
寝る前の流れをいつも同じにする
カーテンを閉める、同じ音楽をかける、同じ声かけをする。毎回同じ流れをつくると、赤ちゃんが「そろそろ寝る時間だ」と感じやすくなることがあります。特別な準備はいりません。いつもの動作をなぞるだけで十分です。
部屋を少し暗く、静かめにする
昼間でも光や音が多いと、赤ちゃんは眠りに集中しにくいことがあります。カーテンを引いて、少しだけ薄暗くする。テレビの音を小さくする。環境を整えるだけで、寝つきが変わったと感じる日もあります。
寝かしつけを、誰かに交代してもらう
同じ人がずっと抱っこしていると、腕も心も限界がきます。パートナーや家族に少しだけ代わってもらえるなら、遠慮せず頼ってください。抱っこする人が変わっても眠れることは、案外あります。頼ることは、甘えではありません。
寝ないと決めた日は、いっしょに休む
どうしても寝てくれない日は、家事をあきらめて、抱っこしたまま自分も座って目を閉じる。それも立派な休憩です。昼寝が短くても、あなたが少し息をつけたなら、その時間には意味があります。
家事も休憩もできないあなたへ
抱っこの時間は、思うように動けません。だからこそ、その時間の見方を少しだけ変えてほしいのです。何もできていないように感じても、あなたは赤ちゃんを支え続けています。それはとても大きな仕事です。
家事は、少しくらい後回しでも誰も困りません。洗い物が残っていても、床にほこりがあっても、赤ちゃんは元気に育ちます。片手で食べられるものを用意しておく、宅配や便利な道具に頼る。手を抜けるところは、どんどん抜いていいのです。
そして、体力にはやっぱり限りがあります。腕がつらい、腰が痛い、眠れていない。そういう疲れが積み重なっているときは、無理に工夫を増やそうとしなくて大丈夫です。もし赤ちゃんの様子で気になることがあれば、小児科や自治体の子育て相談の窓口を頼ってみてください。話すだけでも、少し軽くなることがあります。
おわりに
抱っこでしか寝ない日々は、渦中にいると永遠に続くように思えます。でも、赤ちゃんは少しずつ変わっていきます。今のあなたの腕の温かさを、赤ちゃんはちゃんと受け取っています。その事実だけで、今日のあなたは十分にがんばっています。
うまくいかない日があっても、それはあなたのせいではありません。どうか、自分を責めないでください。今夜も、あなたが少しでも休めますように。
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