先に、いちばん伝えたいことを書きます。夜泣きで自分だけ起きていて、隣で眠り続ける旦那さんにイライラする。それは、あなたが冷たいからでも、心が狭いからでもありません。眠れていない体が「もう限界だよ」と教えてくれているサインです。まずはその怒りを、そのまま持っていて大丈夫です。この記事では、その気持ちを責めずに受け止めながら、関係を壊さずに伝えるための考え方を、静かに並べていきます。
夜泣きで旦那が起きないのは、あなたのせいじゃない
夜中、子どもの声で目が覚める。抱き上げて、揺らして、また布団に戻す。その間ずっと、隣で規則正しい寝息が聞こえてくる。あの感覚を知っている人は、きっと多いと思います。私も、同じ天井を何度見上げたかわかりません。
不思議なもので、赤ちゃんの声は、ずっと近くで聞いている側の耳ほど拾いやすくなると感じることがあります。授乳やお世話を主に担っている人ほど、小さな物音でも起きるようになりがちです。逆に、しばらく起きる役をしていない人は、本当に気づかないこともあります。わざと寝たふりをしている、とは限らないのです。
とはいえ、頭で「悪気はないのかも」とわかっていても、体はしんどい。眠れない夜が続くと、心の余裕はどんどん削られていきます。イライラするのは、あなたが弱いからではなく、単純に休めていないから。まずはそこを、自分で自分に認めてあげてください。
イライラの正体は、怒りより「わかってほしい」
怒りの下には、たいてい別の気持ちが隠れています。夜泣きの最中に湧いてくるあのイライラも、よく見つめると「怒り」そのものではないことが多い気がします。
本当は、こうではないでしょうか。「私だけが起きているのを、知っていてほしい」「大変だねって、一言だけでいい」。眠っている相手に腹が立つのは、その人に期待しているからです。どうでもいい相手には、そもそも期待も怒りも湧きません。
私自身、深夜に子どもを抱きながら、涙が出たことがあります。子どもがかわいくないわけじゃない。ただ、この時間を誰にも見られていないような、透明な孤独が苦しかったのだと思います。あのときほしかったのは、家事の分担表でも正論でもなく、「ひとりじゃないよ」という気配でした。
だから、もし相手に伝えるなら、責める言葉より先に、この「わかってほしい」を渡せるといいのかもしれません。難しいことですが、順番を変えるだけで、届き方が変わることがあります。
関係を悪くしない伝え方のコツ
眠れていない状態で冷静に話すのは、正直とても難しいです。だから、うまく言えなくても自分を責めないでください。そのうえで、少しだけ楽になる伝え方の工夫を書いておきます。
ひとつは、夜中ではなく、明るい時間に話すこと。イライラの真っ最中に出る言葉は、どうしても刺さる形になりがちです。落ち着いた昼間に「昨日の夜、実はしんどかった」と振り返るほうが、相手も受け取りやすくなります。
もうひとつは、「あなたはいつも起きない」ではなく、「私が眠れなくてつらい」と、自分を主語にすること。相手を責める形の言葉は、たとえ事実でも、防御の姿勢を生みやすいものです。自分の状態を伝える言い方のほうが、話が前に進みやすいと感じます。
そして、相手に完璧を求めないこと。起きられないなら、朝の支度を代わってもらう、休日の午前に少しだけ寝かせてもらう。夜そのものを変えられなくても、別の時間で埋め合わせる方法はあります。「夜起きて」だけが助けの形ではない、と思えると、少し肩の力が抜けます。
今夜からできること
大きなことは、今すぐには変えられません。でも、今夜の自分を少しだけ守る工夫なら、いくつかあります。できそうなものだけ、つまんでみてください。
まず「私は今しんどい」と口に出す
誰かに向けてでなくてかまいません。小さな声で自分の状態を言葉にするだけで、感情が少し整理されることがあります。我慢を続けるより、認めてしまうほうが軽くなる夜もあります。
怒りをその場で相手にぶつけない
深夜の言葉は、後で自分を責める材料になりがちです。言いたいことがあれば、スマホのメモに書き殴っておく。明るくなってから読み返すと、伝え方を選ぶ余裕が生まれます。
音や光で、少しだけ空気をやわらげる
静かな音楽や、ほんのり暗い明かりに切り替えると、張りつめた気持ちがゆるむ人もいます。子どものためというより、自分の呼吸を整えるためのものだと思ってください。
助けの形を「夜」以外にも探す
相手が夜に起きられないなら、朝のミルクやゴミ出し、休日のお昼寝の見守りをお願いしてみる。夜の負担を、別の時間の助けで少しずつ相殺していく発想です。
眠れる時に、罪悪感なく眠る
家が多少散らかっていても大丈夫です。子どもが寝た隙は、片づけより自分の睡眠を優先していい時間。休むことは、明日の自分への大事な準備です。
ひとりで抱えきれないと感じたら
気持ちの落ち込みが続いたり、体のつらさが気になったりするときは、抱え込まないでください。小児科や、お住まいの自治体の子育て相談窓口に、話を聞いてもらう選択肢があります。頼ることは、弱さではありません。
今日をここまで来たあなたへ
眠れない夜に、この記事を開いてくれたこと。それだけで、あなたは十分にがんばっています。旦那さんが起きないことにイライラしてしまう自分を、どうか嫌いにならないでください。その怒りは、家族を守ろうとしている証でもあります。
夜泣きは、いつか必ず終わります。今は出口が見えなくても、少しずつ形を変えて、ある日ふっと軽くなる時が来ます。私も、あんなに長く感じた夜が、気づけば思い出になっていました。今のあなたの疲れは、確かにそこにある本物のものです。だからこそ、無理に前向きにならなくていい。ただ、今夜をやり過ごせたら、それで十分です。
どうか、ほんの少しでも横になれますように。あなたの隣に、静かに座っているつもりで書きました。
眠れない夜のお供に、寝かしつけ音楽を無料で配信しています。YouTube: https://www.youtube.com/@Baby_SleepLullabies
もう少し長い手紙は note に置いています: https://note.com/nennebaby
ひとりで抱えないでください
「消えてしまいたい」と感じるほどつらいときは、下記の窓口に連絡してください。深夜でもつながります。
- よりそいホットライン 0120-279-338(24時間・通話無料)
- こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
お住まいの自治体の子育て相談窓口や、かかりつけの小児科でも相談できます。頼ることは、無理をしないための普通の選択です。


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